ご立腹

最近、隣の彼女が不機嫌というかなんというか……ご立腹です


ご立腹の理由は、学生になっては決して避けて通ることのできない学校行事


彼女はイライラしながらひたすら、すずらんでビラビラでフサフサする物を一人製作中なのである

彼女はこの作業を４日も前から、しかも一人でやり続けている


そりゃ、彼女じゃなくてもイライラもする

ひたすら、すずらんをダンボールに巻き付け、それを切りガムテープに一枚一枚貼り付け、そのすずらん付きガムテープをダンボールに貼り、固定できたら、すずらんをひたすら裂き続ける


こんな、説明している自分がなんか、しんどくなってきた

まぁ、こんなことしてりゃ、ご立腹なわけだ


そんな、彼女に飲み物を差し入れをした


「すずらんの方は順調かい？」

「……全然」

いつもより、口数が少ない


「早く、帰りたい」

「６時半には帰れるじゃん」

「それじゃ、遅いの！！」

「なんで？腹減る？」

「違う、食欲の問題じゃない。アニメが見れないじゃない」

「そっちかい」

「今月からのアニメ面白いの。夕方アニメも侮れないの」

「力説ですか」

「そうですけど、何か」

「あっ、いえ何でも」


完全に、色々なことがキレちまったな
あんな作業やらされて、ついでにアニメが見れないと来たらば、あそこまでキレる理由が分かる


「でもよ～別に家に帰ろうと思えば帰れんじゃん。嘘でもなんでも、吐けば」

「そんなの嫌」

「何故に？」

「だって、一度引き受けたことをいい加減のできない。責任もって最後めでやり抜く」


割りと、真っ当な一般人的発想もちゃんと持ち合わせているようだ

なんか、安心した


「じゃ、戻るわ」

「次は、紅茶。買って来て」

「へいへい」


まだまだ、彼女は未知だ